訪問日:2016/11/28
ここは高崎西口、高崎中央銀座。
「たかさき中央銀座」と描かれたアーチ看板は商店街入口のシンボル。
今の時代では悪趣味と敬遠されがちなド派手なアーチ看板は、平成が始まって30年近く経つ現在でも昭和の時代から抜け出せずに掲げられている。
アーケード内の寂れたシャッター通りは、昔ながらに営業を続ける閑散とした店舗と、空になった店舗に取って代わる真新しい風俗案内所が節操なく混在し、単なる寂れた商店街とはまた違った混沌と言える様相を呈している。
その辺の説明は群馬県民には今更不要だろうが、かつての賑わいはどこへやら、群馬随一の繁華街の凋落をその姿を以てまざまざと体現していた。
そんな高崎中央銀座で今も営業を続けるとある飲食店、何年か前に初めて見た時に私は衝撃を受けた。
時代に取り残されてしまったかのような佇まいに圧倒され、躊躇い、当時の私は暖簾をくぐる事が出来なかった。
それがこのお店。
レストラン三好
渋い!激渋すぎる!!
隣の日用品店も相当古いが、レストラン三好はそれにも増して鄙びている。
営業してるかさえ疑う佇まいだが、確かに暖簾は上がっていた。
また、このお店は「レストラン三好」と表示されているが、正式名称は「ニュー三好」と言うらしい。
なぜ正式名称と店先の表示が違うのか、そして何がニューなのかは定かではないが、取り敢えず本当はニュー三好と言うらしい。
店先のディスプレイには多数の食品サンプルが並ばれている。
アーケード内で直射日光が当たらないからか食品サンプルは割合と状態が良く、こうして見ると結構美味そうだ。
今日は臆する事なかれ、今回は街歩きのスペシャリストと共にやってきた。
いざ、入店!
もしかしたら暖簾の先は異世界に繋がってるのではと不安を覚えたが、いざ入店すると店内は昔ながらの食堂だった。
薄暗い店内には沢山の物が雑然と置かれ、古い飲食店独特の匂いが漂っていた。
なんとここは戦後間もなくして開業した創業60年の老舗食堂。
厨房に立つご主人は二代目だ。
メニューを見るとどれもお手頃価格、醤油ラーメンは450円だった。
カツ系が人気とのこと。
私は本日のサービスメニューだった「カツ丼+ラーメンセット」を注文した。
このボリュームで680円とはなかなか安い。
味の方は取り立てて書くことは無いが、この鄙びた食堂でメシを食べる意味は大きい。
商店街が生まれるとほぼ同時に創業し、商店街の繁栄も衰退も全てに寄り添い営業を続けてきた。
味を表現するなら、商店街の歴史の味がした、とでも云おうか。
時が止まった店内で、時代は変化していっても変わらない味を守り続けるレストラン三好、
商店街と共に歩み続けるその様は、ある意味、高崎中央銀座の象徴とも言えるかもしれない。
ちなみにタイトルの「激渋食堂」は、松本康治氏の
激渋食堂メモに感化されて私も使わせて貰っている。
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